鳥取支店
こんにちは。鳥取支店の川尻です。
蒸し暑く、体温調整が難しい日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
6/4(金)、とりぎん文化会館にて、鳥取市人権教育協議会企業部会が主催する人権問題研修会が開催され、当店社員も参加いたしました。
「多文化共生とジェンダー平等 ~ドイツと日本の進歩と課題~」をテーマにした講演会では、鳥取市国際交流員として活躍され、鳥取市の姉妹都市であるドイツ連邦共和国ハーナウ市との交流サポートを担っておられるアンドレコヴィッツ・マリーさんのお話を伺いました。
ハーナウ市は、フランクフルトから東へ20キロメートルに位置し、赤ずきんちゃんや白雪姫に代表される「グリム童話」の作者グリム兄弟生誕の地としても知られ、「ドイツ・メルヘン街道」の出発点となっています。
鳥取市との関係では、1989(平成元)年に鳥取市制100周年記念事業として「’89鳥取・世界おもちゃ博覧会」が開催された折、その会場にハーナウ市のヘッセン人形博物館が所蔵する世界最古の操り人形を展示したことがきっかけとなり、両市との交流が始まったそうです。その後、2001(平成13)年11月に姉妹都市提携を締結、今年は姉妹都市提携20周年という記念すべき年になります。
講演会は、「多文化共生」というテーマに基づき、「他文化(異文化)」に接することに慣れていくということに留まらず、「多くの文化」に対してこれを尊重し併存させつつ共生していく考えを確立することが重要である、というお話がありました。
マリーさんが産まれ育ったドイツを初めとする欧米諸国は、異なる国が陸続きに位置し、また1国の中においても他民族・他宗教で一般に成り立っています。このような背景から、異なる民族・異なる文化の人々が共に生き接していくことは、地理的にも歴史的にも当然のこととして認識され育まれているようです。
一方、日本は、地理的には島国として他国とは海で隔たりがあり、また単一民族国家です。異なる考え方・文化をそのままに受け入れる生き方には、不慣れな地理的・歴史的背景があるように思います。
しかしながら、昨今、技能実習受入制度等もあり、海外からの外国人の受入は従来よりも増加し、「多文化共生」を身に付ける必要性が今までになく高まっています。
次に、『多文化共生』の第一歩は、まず自分たちの文化を深く知ること、そして偏見をなくすこと、というお話がありました。
私たちは外国人を見ると、「英語で話しかけなければ!」「誰か、英語ができる人いる?」という会話をしてしまいませんか?
しかし、「日本に住む外国人は、英語ができる人よりも、日本語ができる人の方が多い」というデータがあるそうです。
上記は身近な偏見の一例ですが、私もこのような偏見を他にもたくさん持ってしまっているのではないかと反省しました。
また、「やさしい日本語」についても紹介がありました。具体的には以下のような「言い換え」をイメージしてください。
・「土足厳禁」→「靴(くつ)を 履いて(はいて)ください」
・「和室」→「たたみの部屋(へや)」
・「両親」→「お父さんとお母さん」
・「通行止め」→「ここは通(とお)ることができません」
「やさしい日本語」の取り組みは、単に外国人にわかりやすさを提供するということに留まりません。昨今増加している自然災害や新型コロナウイルスといった生命にかかわる事態に際し、住民に向けて発信される大切な連絡事項が外国人に伝わらないと、犠牲者を出したり命を落としたりすることにつながるという懸念から、重要性がさらに高まっているそうです。
偏見の一例では、「日本に住む外国人は、英語ができる人よりも日本語ができる人の方が多い」というお話もあり、「やさしい日本語」の重要性が高まっていることにも納得がいきました。
鳥取市でも「やさしい日本語」の活用に注力しており、最近の事例では、新型コロナワクチンの接種について「やさしい日本語」を使った発信をしているというお知らせもありました。インターネットで検索してみると、鳥取市以外にも多くの地方公共団体が、「やさしい日本語」の活用に取り組んでいることを、この機会に知ることができました。
このほかにも、「ジェンダー平等」など様々なお話があり、とても勉強になる講演会でした。講演会終了後には鳥取県警察音楽隊による演奏会もあったのですが、スケジュールの都合上、拝聴することができず残念でした。次の機会には必ずお聴きしたいと思います。
当店では今後も、さまざまな研修会などへの参加を通じてサステナビリティに関するテーマについて学び、皆さまへの情報提供に努めて参ります。